のぼせなど更年期の症状を漢方で整える!体質別対策ガイド
- ファミリードラッグたきじゅう
- 5月22日
- 読了時間: 15分

▶︎1. 更年期の「のぼせ」とは?漢方で整える体のバランス

1.1 更年期に起こる「のぼせ」の原因とは?
更年期になると、突然顔がほてる、汗が吹き出す、という「のぼせ」のような症状に悩まされる方が多くなります。 これは女性ホルモンの分泌量が大きく変化することにより、自律神経のバランスが乱れやすくなるためです。
特に40代後半から50代にかけて、「ホットフラッシュ」と呼ばれるのぼせ症状が頻発します。
たとえば、こんな経験はありませんか?
暑くないのに顔や上半身が熱くなる
夜中に寝汗をかいて目が覚める
会議中や電車内で急に顔が赤くなって恥ずかしい
このような「のぼせ」は、気温や環境とは関係なく起こるため、対処が難しいのが特徴です。
よくある失敗例と注意点
のぼせに対して自己判断で対処すると、かえって悪化することもあります。よくあるケースを紹介します。
冷たい飲み物で体を冷やしてしまう
→一時的には楽になりますが、体内の冷えとのバランスが崩れて冷えのぼせに。
市販の薬だけで済ませる
→一時的な対処にはなっても、根本的な原因(自律神経やホルモン変化)には対応できません。
更年期のせいだからと放置する
→放っておくと、めまい・不眠・気分の落ち込みにもつながる可能性があります。
のぼせ症状は一見すると軽く見られがちですが、日常生活に大きな影響を与えます。 そのため、早めに正しい知識を持ち、体全体のバランスを整える意識が大切です。
1.2 漢方で考える「のぼせ」のメカニズム
漢方では「のぼせ」を単なる熱の症状とは捉えず、体内の「気」「血」「水(津液)」のバランスの乱れと考えます。 特に更年期に多いのは、「気逆(きぎゃく)」と「陰虚(いんきょ)」という状態です。
気逆:気の流れが本来は下向きであるべきところ、上に突き上げてしまう状態
陰虚:身体を潤す力が不足し、体が内側から熱を帯びてしまう状態
この2つが組み合わさると、以下のような症状が出やすくなります。
上半身のほてりや発汗
手足の冷えとの共存(冷えのぼせ)
気分の浮き沈みや焦燥感
漢方では「のぼせ」だけでなく、その人の体質全体を見て処方を決めます。
よくある誤解とポイント
「のぼせ=暑がり」と思い込む
→実際には冷えとのぼせが同時に存在するケースが多いです。
すぐに効果を求めすぎる
→漢方は体質をじっくり整える方法なので、最低でも2〜3週間は見ておきたいところです。
同じ漢方をみんなが飲めば効くと思う
→体質は人それぞれ。同じ「のぼせ」でも適した漢方は異なります。
たとえば、忙しい日中に急なのぼせが起きて集中できない…ということがありますよね。 そんなとき、漢方によるケアは一時的な症状だけでなく、体全体の状態を穏やかに整えてくれます。
▶︎2. 漢方で整える更年期の「のぼせ」

2.1 加味逍遙散:イライラや不安感を伴うのぼせに
更年期の「のぼせ」とともに、イライラや不安感、不眠などの精神的な不調が現れることは少なくありません。 そんなときによく用いられるのが加味逍遙散(かみしょうようさん)です。
この漢方薬は、精神と自律神経のバランスを整え、気の巡りをスムーズにする働きがあります。 ストレスによる気の停滞が、のぼせの引き金になっている場合にピッタリです。
加味逍遙散が合いやすい人の特徴
イライラや不安感を感じやすい
顔がほてるのに手足が冷たい
肩こりや頭痛をよく感じる
生理前に気分が不安定になることが多い
たとえば、毎朝バタバタとした準備のなかで急に顔が熱くなり、同時に気分が不安定になる…そんな場面に加味逍遙散が力を発揮します。
よくある注意点
飲み始めてすぐ効果を期待しすぎる
→体質を整える薬なので、2〜4週間を目安に様子を見ましょう。
気分の浮き沈みを放置しがち
→心と体はつながっています。精神的ストレスにも目を向けることが大事です。
冷えとのぼせを別々に考えてしまう
→漢方では両方を同時に見るのが基本。気の巡り全体を整える視点が必要です。
2.2 桂枝茯苓丸:のぼせと冷えを同時に感じる方に
顔はほてるのに手足は冷たい…。そんな相反する症状に悩む方には、桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)がよく用いられます。
これは「瘀血(おけつ)」と呼ばれる、血の巡りが悪い状態を改善し、上半身の熱感と下半身の冷えを同時に整える漢方薬です。
冷えのぼせに悩む方には、非常に相性が良い処方とされています。
桂枝茯苓丸が合いやすい人の特徴
手足が冷たいのに顔はのぼせる
生理不順や経血の量に変化がある
肩こり・腰痛・頭痛が気になる
下腹部が重だるい感覚がある
仕事中、冷房が効いているのに顔だけがほてってつらい…そんなとき、体のめぐりを整えるこの漢方が効果的です。
よくある注意点
「血の巡り」と聞いてピンとこない
→漢方では血の滞りが原因でのぼせが起こるとされます。西洋医学とは少し考え方が違います。
冷え対策だけに集中してしまう
→体全体のバランスが大切。のぼせとの同時ケアがポイントです。
女性特有の症状として見逃されがち
→婦人科系の不調と重なっているケースがあるので、専門家の相談が安心です。
2.3 知柏地黄丸:体力低下や寝汗を伴うのぼせに
更年期を迎えると、のぼせとともに疲れやすさや夜間の寝汗など、「体の内側から熱がこもる」ような症状が現れることがあります。
このタイプには、知柏地黄丸(ちばくじおうがん)という漢方薬がよく選ばれます。
この処方は「陰虚火旺(いんきょかおう)」という状態、つまり体を潤す力(陰)が足りず、相対的に熱(火)が過剰になっている体質に対応しています。
知柏地黄丸が合いやすい人の特徴
寝汗が多く、夜中に目が覚めやすい
体がだるく、疲れが取れにくい
口や喉がよく乾く
顔が赤く、のぼせ感が強い
日中はなんとか過ごせても、夜中に寝汗で目が覚めてしまい睡眠不足に…。そんな方にとっては、知柏地黄丸が大きな助けになります。
よくある注意点
疲労感を年齢のせいだとあきらめる
→更年期特有の「陰の消耗」によるものかもしれません。
水分補給だけで喉の渇きを解消しようとする
→体内の潤いバランスを整えることが必要です。
睡眠の質を軽視してしまう
→漢方では睡眠中の回復力をとても重視します。寝汗や中途覚醒は改善すべきサインです。
3つの漢方薬には、それぞれ異なる「のぼせ」の背景に対応する役割があります。
体質や症状の出方によって、ぴったり合う処方は変わってきますので、自己判断ではなく、専門家に相談することがとても大切です。
▶︎3. 漢方薬の選び方と注意点

3.1 自分の体質に合った漢方薬を選ぶポイント
漢方薬は「症状」だけではなく、「体質」に合わせて選ぶのが基本です。 同じ「のぼせ」でも、体力のある人と疲れやすい人では処方がまったく違うこともあります。
だからこそ、自分に合った漢方薬を見つけることが、効果を最大限に引き出すポイントなんです。
漢方で重視される体質タイプ
以下は、漢方の基本的な体質分類の一例です。
気虚タイプ:疲れやすく、風邪を引きやすい。体力低下型
血虚タイプ:顔色が悪く、冷えやめまいが起きやすい
気滞タイプ:イライラしやすく、ストレスに弱い
瘀血タイプ:血流が悪く、肩こり・冷え・のぼせが混在
陰虚タイプ:体がほてり、寝汗や口の渇きがある
たとえば、冷えとのぼせを繰り返す方が「陰虚」なのか「瘀血」なのかを見誤ると、効果が出づらいことも。 体質判断は、専門家に相談するのがいちばん確実です。
よくある失敗例
友人が飲んで効いた漢方を真似する
→同じ症状でも体質が違えば効果は変わります。
ネットの情報だけで自己判断する
→体質をきちんと見極めないと、症状が長引くことも。
市販薬を複数試して悪循環に
→合わない漢方を続けることで、かえって不調が強くなる場合もあります。
3.2 漢方薬を服用する際の注意点
漢方薬は自然由来ですが、「効き目がゆるやかで安全」というイメージだけでは不十分です。 服用にはいくつか注意すべきポイントがあり、間違った使い方は逆効果になりかねません。
漢方薬を飲むときの基本ルール
空腹時が基本:吸収をよくするため、食前30分または食後2時間が目安
ぬるま湯で服用:冷水や熱湯は避けましょう
継続が大切:即効性よりも、体質改善を重視した服用が前提
たとえば「朝晩の服用を忘れてしまう」という方も多いですが、飲んだり飲まなかったりを繰り返すと効果が実感しづらくなります。
よくある注意点
複数の漢方薬を同時に飲む
→成分が重複して体に負担をかけることがあります。
他の薬との併用を自己判断する
→漢方薬と西洋薬は併用可能なケースもありますが、必ず薬剤師に確認を。
体調が変わっても漢方を変えない
→季節や体質の変化に合わせて処方を調整するのがベストです。
3.3 漢方薬と生活習慣の関係
漢方薬だけに頼るのではなく、生活習慣を見直すことが「のぼせ」改善への近道です。
体を温める食事をとる、ストレスを溜めない、質のよい睡眠をとるなど、日々の過ごし方が体調に大きく影響します。
漢方と生活改善を組み合わせることで、のぼせの頻度や強さがぐっと軽減されやすくなります。
のぼせを悪化させやすい生活習慣
冷たい飲み物を頻繁にとる
長時間のスマホやパソコン作業で自律神経を乱す
夜ふかしが続き、睡眠時間が不規則になる
運動不足で血の巡りが悪化する
たとえば、夜ふかしして寝不足が続くと、のぼせや寝汗がひどくなりやすい傾向があります。 漢方を飲んでいても、こうした習慣があると本来の効果が発揮されません。
改善のポイント
毎日同じ時間に就寝・起床する習慣をつける
30分でもいいので軽く体を動かす時間を作る
ぬるめのお風呂でリラックスする時間をとる
体のバランスは、日々の積み重ねで大きく変わります。 漢方の力を活かすには、生活習慣の見直しが欠かせません。
▶︎4. 生活習慣の見直しで「のぼせ」を軽減
4.1 食生活の改善ポイント
「のぼせ」は食生活を見直すことで、ぐっとラクになることがあります。 特に、冷たい飲食物の摂りすぎや刺激物の過剰摂取は、のぼせを悪化させる原因になりやすいんです。
毎日の食事こそが、体を内側から整える基本です。
のぼせを防ぐ食事のポイント
常温〜温かい食事を中心にする
→冷たい飲み物やアイスなどは控えめに
ビタミンB群・E・鉄分を意識して摂取
→血流やホルモンバランスを整える働きがあります
アルコール・カフェインの摂りすぎに注意
→一時的に血管を拡張させ、のぼせ感を強めます
たとえば、忙しい朝に冷たいジュースだけで済ませていませんか? それが毎日続くと、体内が冷えて「冷えのぼせ」を招きやすくなります。
よくある落とし穴
サラダ中心の食事が多い
→生野菜は体を冷やしやすいため、温野菜に変えるのがおすすめ。
鉄分不足を放置している
→貧血傾向がある方は、血流の悪化でのぼせが起きやすくなります。
ダイエットで栄養バランスを崩す
→極端な食事制限はホルモンバランスを乱し、更年期症状を悪化させることも。
4.2 適度な運動とリラクゼーション
のぼせの症状をやわらげるには、体の血流をよくする運動と、心を落ち着けるリラクゼーションの両方が重要です。
運動で「めぐり」を整え、リラックスで自律神経をやさしく調整することが、のぼせの軽減につながります。
効果的な運動習慣
ウォーキングやストレッチ(1日15〜30分程度)
深い呼吸を意識したヨガや体操
軽い筋トレで基礎代謝をアップ
特に、朝のウォーキングはおすすめです。朝日を浴びることで体内時計が整い、日中ののぼせが軽くなることがあります。
リラクゼーションの方法
アロマを使った深呼吸
入浴時に好きな音楽をかけて過ごす
寝る前に5分だけ瞑想やボディスキャン
「自律神経を整える時間」を意識的に作るだけで、のぼせやすさがだいぶ変わってきます。
よくあるミス
運動の負荷が高すぎて逆に疲れる
→軽い運動を習慣化するほうが効果的です。
リラックスできる時間がない生活
→意識して「何もしない時間」を取り入れることも大切。
寝る直前にスマホを触り続ける
→ブルーライトが自律神経を刺激し、のぼせを悪化させる原因に。
4.3 睡眠環境の整え方
更年期ののぼせは、夜間の寝汗やほてりと関係していることが多く、良質な睡眠をとることがとても大切です。
睡眠中に体がしっかりリセットされることで、自律神経も安定し、日中ののぼせも軽くなります。
快適な睡眠環境をつくるコツ
室温・湿度の管理(26℃前後、湿度50〜60%)
パジャマや布団は通気性・吸湿性の良いものを選ぶ
就寝1時間前にはスマホやテレビをオフ
寝室が暑すぎたり、締め切っていたりすると、のぼせ感が強くなって夜中に目が覚めやすくなります。 たとえば、寝汗でシーツが湿って目が覚めることが何度も続くと、睡眠の質が下がって疲れも取れません。
よくあるNG行動
エアコンを切って寝てしまう
→室温が上がり、のぼせを誘発する原因に。
寝る直前までカフェインを摂る
→覚醒作用で眠りが浅くなります。
寝る前に考えごとをして不安を引きずる
→脳が興奮し、リラックスできなくなってしまいます。
生活習慣を見直すことで、薬に頼りすぎずに「のぼせ」を軽減できる可能性が高まります。
▶︎5. 更年期の「のぼせ」相談は漢方の専門家にお任せ
5.1 漢方相談のメリット
更年期の「のぼせ」は、症状の出方も原因も人それぞれです。 市販の漢方薬やネット情報だけで判断するのは難しく、遠回りになってしまうこともあります。
そんなときこそ、漢方の専門家に相談するのが一番の近道です。
主なメリットはこちらです
体質に合った漢方薬を提案してもらえる
のぼせ以外の不調(冷え・不眠・イライラなど)も一緒に相談できる
食事や生活習慣のアドバイスももらえる
たとえば、のぼせだけでなく冷えや肩こり、気分の落ち込みまで感じている方も少なくありません。 そんな複合的な悩みにこそ、オーダーメイドの対応ができる漢方相談が向いています。
よくある誤解
「相談は面倒」「高そう」と感じる
→多くの薬局では相談は無料、またはリーズナブルに対応しています。
症状が軽いからと相談を先延ばしにする
→早めに対処すれば、深刻化せずに済むことも多いです。
薬だけもらえればいいと思っている
→生活習慣の見直しも含めたトータルなアドバイスがもらえるのが相談の魅力です。
5.2 専門家による体質チェックの重要性
漢方では、「症状」ではなく「体質」こそが処方の決め手です。 そのため、のぼせに効く漢方と一口にいっても、体質によって選ぶものはまったく変わってきます。
専門家の体質チェックを受けることで、より的確な処方にたどり着ける可能性が高くなります。
漢方薬局での体質チェックでは…
問診(生活習慣・冷えの有無・睡眠状態など)
舌の色・脈の状態・お腹の張りなどの確認
「気・血・水」のバランスを総合的に判断
自分では気づいていなかった不調や傾向を、専門家が読み取ってくれることもあります。 「ただののぼせだと思っていたら、冷えや血の巡りの問題も絡んでいた」なんてこともよくあるんです。
見逃されやすいチェックポイント
舌の状態:色や形で体内の熱・冷えのバランスがわかる
睡眠の質:寝汗や中途覚醒があると陰虚体質の可能性
月経の変化:更年期はホルモン変化と直結している重要な要素
5.3 漢方薬局での相談の流れ
「相談してみたいけど、流れがよくわからなくて不安…」という声もよく聞きます。 実際にはとてもシンプルで、初めての方でも安心して受けられるような配慮がされています。
一般的な漢方相談の流れ
問診票の記入(体調、生活習慣、気になる症状など)
漢方の専門家によるカウンセリング →体質チェックと、漢方的なアプローチの説明
適した処方の提案と服用方法の説明
アフターフォローも相談可能
相談は予約制のところも多く、しっかり時間を取ってじっくり話を聞いてもらえます。
たとえば、初回の相談に30〜60分ほどかけて丁寧にカウンセリングを行い、その後も経過に応じて処方を調整してくれるところもあります。
一度相談を受けてみると、「もっと早く行けばよかった」と感じる方がとても多いです。
▶︎6. 【まとめ】のぼせ・更年期症状は漢方でやさしく整える
更年期に訪れる「のぼせ」は、一過性のものと思われがちですが、日常生活に大きな影響を与える深刻な不調のひとつです。
その背景には、自律神経の乱れやホルモンバランスの変化、さらには体質の問題が複雑に絡み合っています。
漢方では、そうした不調を「症状だけ」ではなく「体全体」を見て整えていくという視点があります。
本記事でお伝えしたポイントをおさらいしましょう
のぼせは自律神経やホルモンの影響によって起こることが多い
漢方では「気・血・水」のバランスの乱れや体質に注目して対処する
加味逍遙散・桂枝茯苓丸・知柏地黄丸など、症状別に処方を選ぶことが大切
体質に合った処方を選ぶには、専門家の判断が不可欠
食事・運動・睡眠など、生活習慣の見直しも効果を高めるカギ
無理せず、自分に合った改善方法を見つけることが大切
「のぼせ」はガマンすればいつか収まるもの…と放置してしまう方も多いですが、 実際には早めに対策をすることで、心身の負担を大幅に減らせます。
毎日をより快適に過ごすためにも、ぜひ漢方の力を活用し、心地よいリズムを取り戻してください。
▶︎漢方相談はファミリードラッグたきじゅうにお任せください
40年以上の漢方経験をもとに、のぼせ・冷え・不眠など、つらい更年期症状に合わせた処方をご提案します。 体質や生活習慣までじっくりお伺いし、あなたに合う漢方を見つけるお手伝いをします。 ファミリードラッグたきじゅうの漢方相談サービスをご覧ください。



コメント