漢方薬をお湯に溶かす理由とは?冷え性に効果的な使い方を解説
- ファミリードラッグたきじゅう
- 2024年9月30日
- 読了時間: 12分

漢方薬はお湯に溶かして飲むことで、冷え性に効果を発揮します。本記事では、お湯に溶かす理由や、効果を高めるポイント、注意点について詳しく解説します。
▶︎1. 漢方薬をお湯に溶かす理由

1.1 漢方薬とお湯の関係
漢方薬は、古くから「煎じ薬」としてお湯で抽出して服用されてきました。現代でも、多くの漢方薬はお湯に溶かして飲むことが一般的です。その理由は、お湯の熱によって漢方薬の有効成分が効率的に抽出され、薬効が最大限に発揮されやすくなるからです。
お湯を使うことで、漢方薬に含まれるアルカロイドやフラボノイドなどの成分が迅速に溶解し、体内への吸収が促進されます。
特に、お湯の熱によって立ち上がる香りは、嗅覚を刺激して消化機能を高める効果があります。胃腸の働きが改善されることで、体が漢方の成分を吸収しやすくなり、効果をより迅速に実感できるのです。例えば、香りが強い「香蘇散」や「桂枝湯」などは、香りを楽しむことで胃酸分泌が活性化され、消化が助けられるため、お湯で服用するのが推奨されます。
また、体を温める作用がある漢方薬の場合、お湯の温かさが相乗効果をもたらします。風邪の初期症状や冷え性の改善を目的とした「葛根湯」や「麻黄湯」などは、温かいお湯で飲むことで血行が促進され、発汗を助け、寒気や悪寒を和らげる効果が高まります。
ただし、すべての漢方薬がお湯で服用すべきというわけではありません。体内の熱を取り除くための漢方薬(例:「黄連解毒湯」や「銀翹散」など)は、冷たい水で服用する方が効果的な場合もあります。また、吐き気を伴う症状がある場合は、お湯で溶かすことで香りが強くなり、逆に症状が悪化することもあるため、水で飲むことが推奨されます。
お湯で漢方薬を溶かすことには、香りや温かさが体内の機能を刺激し、漢方薬の効果をより高める重要な役割があります。しかし、一部の漢方薬は冷たい水で服用した方が適している場合もあり、個々の症状や薬の種類に応じた服用方法が必要です。
1.2 体を温める漢方薬の効果
漢方薬には、体を温めて血行を促進する「温補薬(おんぽやく)」や「発表薬(はっぴょうやく)」と呼ばれる種類があり、お湯に溶かして飲むことで、その効果が一層強まります。
これらの漢方薬は、特に体が冷えやすい人や、寒い季節に風邪の初期症状を感じたときに用いられることが多く、お湯の温かさが体を内部から温め、薬の効果をサポートするという特性があります。
例えば、代表的な「葛根湯(かっこんとう)」や「麻黄湯(まおうとう)」は、寒気や悪寒を伴う風邪の初期症状に対してよく処方されます。これらの薬は、お湯に溶かして飲むことで発汗を促進し、体内の余分な「邪気」を体外に排出する効果が期待できます。
特に、「麻黄湯」に含まれる麻黄という成分は、発汗作用を持ち、風邪の初期にお湯で服用することで、寒さによる症状を和らげることが可能です。
さらに、「人参湯(にんじんとう)」や「大建中湯(だいけんちゅうとう)」といった漢方薬は、体を内部から温め、胃腸の働きを改善する効果があります。これらの漢方は、冷え性や消化不良、エネルギー不足などを改善するために使用され、お湯で溶かして飲むことで、その温熱効果がさらに高まります。
特に「大建中湯」は、腹部の冷えや痛みを軽減する目的で使われることが多く、温かいお湯で飲むことで、血行が促進され、消化機能が向上します。
漢方薬の効果は、個々の体質や症状に応じて異なるため、適切な温度で服用することが重要です。体を温める作用のある漢方は、特にお湯で服用することでその効果をより発揮しますが、逆に体を冷やす作用を持つ漢方薬の場合は、お湯ではなく冷水や常温水での服用が推奨されることもあります。
体を温める漢方薬は、お湯で服用することで血行を促進し、発汗作用を助ける効果が期待されます。冷え性や風邪の初期に特に効果を発揮し、体を内側から温めることで症状の緩和が期待できるため、正しい服用方法を心掛けることが重要です。
▶︎2. お湯で溶かすべき漢方薬

2.1 発表を促す漢方薬(例:葛根湯など)
発表を促す漢方薬とは、主に体の表面から発汗を促し、体内の邪気を追い出すための処方です。この「発表作用」を持つ漢方薬は、風邪の初期症状や寒気を感じるときに使用されることが多く、お湯で服用することでその効果がさらに高まります。
代表的な処方には、「葛根湯(かっこんとう)」や「麻黄湯(まおうとう)」があり、これらは寒気や風邪の症状を緩和するために広く使われています。
例えば、「葛根湯」は風邪の初期段階、特に悪寒や発熱を伴うときに効果的な漢方薬です。お湯に溶かして飲むことで、体を温めて発汗を促し、寒気や悪寒を和らげる働きがあります。この処方には、葛根や麻黄といった成分が含まれており、これらが発汗を助け、体内の邪気を外に出す効果を発揮します。
また、「麻黄湯(まおうとう)」は、より強力な発汗作用を持ち、風邪やインフルエンザの初期症状に対して使われます。この漢方薬も、お湯に溶かして飲むことで、体の内側から発汗を促し、体温を調整する効果を発揮します。
麻黄湯に含まれる「麻黄」は、発汗を促進し、体内の毒素を汗と一緒に排出する作用があり、お湯によってその効果が最大限に引き出されます。
さらに、これらの漢方薬は、体を温めて風邪の悪化を防ぐために使われるだけでなく、体力の回復にも役立ちます。体内の冷えを解消し、血行を改善することで、体全体の調子が整い、風邪が長引くのを防ぐことができます。
発表を促す漢方薬は、風邪の初期症状や寒気に対して特に効果的です。お湯に溶かすことで、薬効が高まり、体内の邪気を追い出すための発汗作用が強化されます。正しい温度で漢方薬を服用することで、風邪の早期回復が期待できるでしょう。
2.2 冷え性に効果的な漢方薬
冷え性に悩む方に対しては、体を温めて血行を改善する漢方薬が非常に効果的です。これらの漢方薬は、お湯に溶かして飲むことで、体を内部から温める効果が高まるため、特に寒さが原因で体調が悪化する場合に推奨されます。
代表的な処方には「当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)」や「五積散(ごしゃくさん)」などがあり、これらは体内の冷えを取り除き、血行を促進する作用があります。
「当帰四逆加呉茱萸生姜湯」は、特に手足の冷えに効果的であり、冷えによる痛みやしびれを緩和します。この漢方薬は、温かいお湯に溶かして服用することで、体を温める生薬成分がより効率的に体内に吸収され、血行を促進して冷え性を改善する働きをします。
また、生姜や当帰といった成分が含まれており、これらは体を内側から温め、血流を良くする効果が期待できます。
また、「五積散(ごしゃくさん)」は、体の冷えと共に、消化不良や疲労感を伴う場合に使用される漢方薬です。冷えやストレスが原因で胃腸の働きが低下しているときに適しており、特に寒さや冷たい環境で体調が悪化しやすい人に効果的です。お湯で溶かして飲むことで、胃腸を温め、消化機能を改善し、体全体の冷えを緩和します。
これらの漢方薬は、冷え性だけでなく、寒さによる腰痛や肩こりにも効果があります。特に冬場に冷えが原因で体の不調を感じる方には、漢方薬をお湯で溶かして服用することで、内側から体を温めることができ、症状の緩和に役立つでしょう。
冷え性に効果的な漢方薬は、お湯で溶かして服用することで、体を温め、血行を促進する効果が強まります。体の冷えを改善することで、消化機能や全身の循環が改善され、冷え性に伴う不調も緩和されます。
▶︎3. 漢方をお湯で溶かす際の注意点

3.1 効果が減少する場合の漢方薬
漢方薬は基本的にお湯で溶かして服用することが多いですが、すべての漢方薬がこの方法に適しているわけではありません。一部の漢方薬は、お湯で溶かすことで効果が減少したり、逆効果になったりする場合があるため、注意が必要です。
特に、体内の熱を抑えることを目的とした漢方薬は、お湯ではなく冷たい水で服用する方が効果的なことが知られています。
たとえば、「黄連解毒湯(おうれんげどくとう)」や「三黄瀉心湯(さんおうしゃしんとう)」といった漢方薬は、体の熱を冷ます効果があります。これらの漢方薬をお湯で溶かして飲むと、かえって体を温めてしまい、治療の目的に反してしまう可能性があります。したがって、冷水や常温の水で服用することが推奨されます。
さらに、吐き気や悪心を伴う症状に対して用いられる「小半夏加茯苓湯(しょうはんげかぶくりょうとう)」や「五苓散(ごれいさん)」などは、お湯に溶かすと香りが強く立ち、逆に吐き気が増してしまう場合があります。これらの漢方薬は、香りが少なくなるように冷たい水でゆっくりと服用する方が、胃に優しく、効果的です。
すべての漢方薬がお湯で溶かして服用すべきというわけではありません。体を冷やすことを目的とした漢方薬や、吐き気を伴う症状に対しては、冷水や常温水での服用が推奨されることがあります。漢方薬の種類と効果に応じた適切な服用方法を確認することが重要です。
3.2 吐き気や熱に対する漢方薬の注意点
吐き気や熱を伴う症状に対して使用される漢方薬には、お湯で溶かすと逆効果になるものが存在します。吐き気を和らげる漢方薬をお湯で服用すると、薬の香りが強くなり、かえって吐き気が増してしまうことがあるため、冷たい水での服用が推奨されます。
特に、つわりや二日酔いなどの症状に対して使用される「小半夏加茯苓湯(しょうはんげかぶくりょうとう)」や「五苓散(ごれいさん)」は、香りが胃に負担をかけることがあるため、お湯ではなく冷水や常温水でゆっくりと飲むことが効果的です。
また、体の熱を下げることを目的とした漢方薬、例えば「黄連解毒湯(おうれんげどくとう)」や「三黄瀉心湯(さんおうしゃしんとう)」は、体内の熱を抑える作用があります。これらをお湯で服用してしまうと、温熱効果によって体をさらに温めてしまい、逆効果となる可能性があります。
このような漢方薬は、冷水や常温水での服用が適しており、体内の熱を和らげる目的が達成されやすくなります。
さらに、漢方薬の服用温度は、薬効を左右する重要な要素です。薬によっては温度の変化が成分に影響を与えることがあり、例えば電子レンジを使用して漢方薬を温めると、薬の成分が変質することも報告されています。そのため、お湯で溶かす際には、電子レンジではなく、熱湯を直接注いで溶かす方法が推奨されています。
吐き気や熱を伴う場合の漢方薬は、冷水や常温水での服用がより効果的です。お湯で溶かすことで、逆に香りや温かさが症状を悪化させることがあるため、適切な温度での服用が重要です。
▶︎4. 漢方薬を効果的に服用する方法
4.1 適切な温度での溶かし方
漢方薬の効果を最大限に引き出すためには、服用時の温度が非常に重要です。お湯に溶かして服用することが基本ですが、溶かす際の温度が高すぎたり低すぎたりすると、薬の効果に影響を与えることがあります。理想的な温度は、熱すぎない適温(50~60度程度)で、これによって薬効成分が効果的に溶け出し、体に吸収されやすくなります。
お湯の温度が高すぎると、漢方薬に含まれるデリケートな成分が壊れてしまう可能性があるため、適温を保つことが大切です。また、煎じ薬の場合は、あらかじめ薬をお湯でしっかり煎じてから服用しますが、エキス剤などの現代の漢方薬では、直接お湯に溶かして服用するだけで十分な効果を得られます。
さらに、電子レンジでお湯を温めて使用する方法は、便利ではありますが、マイクロ波によって一部の漢方成分が変質する恐れがあるため、推奨されていません。できるだけ、やかんで沸かしたお湯を使い、自然な形で漢方薬を溶かすことが効果的です。
漢方薬を効果的に服用するには、適切な温度でお湯に溶かすことが重要です。熱すぎず、冷たすぎない温度で服用することで、薬効成分をしっかりと体に吸収させることができます。また、電子レンジでの加熱には注意が必要です。
4.2 電子レンジでの注意点
漢方薬をお湯に溶かす際には、電子レンジの使用には注意が必要です。電子レンジによる加熱は、漢方薬の成分に影響を与える可能性があり、一部の生薬成分が変質する恐れがあります。特に、マイクロ波を使用することで漢方薬の有効成分が劣化することが報告されており、できる限り電子レンジでの加熱は避けるべきです。
電子レンジを使用する場合、以下の方法でリスクを減らすことができます:
水を事前に温める:水だけを電子レンジで温めた後、別の容器に漢方薬を入れて、そこに温めた水を注ぐ方法です。これにより、漢方薬の成分が直接電子レンジの影響を受けることを防ぎます。
間接的な加熱:薬そのものを直接温めるのではなく、お湯に漢方薬を溶かす手順を守り、温めたお湯に薬を加える方法を選びましょう。
また、電子レンジで温めた水はムラが出やすいため、全体が均一に温まっていない場合もあります。これにより、効果的に漢方薬が溶けないこともありますので、電子レンジを使わずに、やかんなどでお湯を沸かす方法が最も安全で効果的です。
漢方薬を電子レンジで溶かすことは成分劣化のリスクがあるため、避けるべきです。水を先に温めてから漢方薬を加えるなど、工夫することでそのリスクを減らすことが可能です。可能な限り伝統的な方法でお湯を使うことが推奨されます。
▶︎5. まとめ
漢方薬をお湯に溶かして飲むことは、その効果を最大限に引き出すために非常に有効な方法です。特に、体を温める効果がある漢方薬は、お湯によってさらにその作用が高まり、風邪の初期症状や冷え性に効果的です。一方で、体の熱を冷ますことを目的とした漢方薬や、吐き気を伴う症状に対しては、冷たい水で服用する方が適している場合もあります。
お湯で溶かす際の注意点としては、適切な温度で溶かすことが重要であり、電子レンジの使用には慎重を期す必要があります。熱すぎるお湯や電子レンジでの加熱は、漢方薬の成分を損なう可能性があるため、伝統的な方法でお湯を準備し、薬を溶かすことが推奨されます。
漢方薬の効果を最大限に引き出すためには、薬の種類や症状に応じて適切な服用方法を選び、正しく服用することが大切です。
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